DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

271日(マーベルをきっかけにこの10年間を考えた)

「これは初日に観るしかない!」
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が昨日から日本公開した。初日ということもあり、六本木のTOHOシネマズの夜の回はパンパン。ぼくはポップコーンや飲み物は基本として口にせず観るタイプなのだが、周りの多くのお客さんはワイワイやっている。

「群衆で東京を感じる」という糸井さんの話をふと思い出した。独特の香りと雰囲気。たしかに「あっ、映画館に来ているな」って感じた。TOHOシネマズにとって客単価が上がることは万々歳だし、いいと思う。笑いのシーンなんかは一緒に声出したり、つられたりすること含めて映画体験。いいイベントだった。

さて内容の方は想像を超える内容で非常に満足。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズはほとんど観てきているゆえの高揚感がある。逆にいえば、シリーズ初見の人と観ている人では観賞後の印象は変わるはずだ。DCシリーズもこの手法を踏襲しているが(ここを語るだけでも時間がかかる)いやあ、とにかく次が観たい。

たしかあれは3年前ほどの話。ディズニーと仕事をしていた関係で、マーベルのプレゼンテーションを六本木のTOHOシネマズで聞いた。次々に現れるラインナップとそこに紐づくこの先の公開年。「本当にスケジュール通りに映像化できるのだろうか?」。そんな想いもありつつも、サノスのちょい出し映像にグッときた記憶がある。気付けばこの10年間、シリーズどの作品もヒット。監督など要所でチャレンジ起用もあるけれど、大枠の筋や軸はブレていない。

マーベルはもともとアメコミをメインに扱う出版社だった。会社の経営状況も芳しくなかった。そこから「スパイダーマン」をソニーにライセンスするなど、キャラクタービジネスに乗り出す。だいぶ端折るがやがてマーベル・スタジオを立ち上げる。満を持して「アイアンマン」を公開させて世界的大ヒット。

いろんな要素が絡み合って2008年から始まっているのだが、一ついえるのはマーベルに技術が追いついたということがいえる。これが20年前だったら、作品の映像のクオリティからして、ここまで世界的な熱狂にはならなかったかもしれない。

そしてマーベルにとっては2018年は10周年。「インフィニティ・ウォー」は記念碑的な作品だ。詳細な感想は他の方にゆずるとして、ぼくが観て考えたのは「この10年間」という期間だ。

2008年〜2018年の10年間、ぼくは17歳の高校3年生〜27歳の社会人というレンジ。この10年の区切りは、いろんなことが起きて、変わった。震災があった。与党も変わり、戻った。ジョブズがいた。映画のVFX的な技術的進歩は明示できないけれど、日常使いのデバイス起点で考えれば、確実に世界は変わっている。

iPhoneが出始めた頃。電車の広告をはじめて見たとき、携帯電話にiPodがオマケとしてくっついてくるのかと思った。あの当時の感覚は忘れぬようにしたい。ぼくはいわゆるガラケーを使いこなしていた。Lineもない。当然TwitterもFacebook、インスタグラムも使っていない。wifiという発想もなかった。Amazonもぼくは使っていなかった。

でもその間、マーベル作品はずっと高いクオリティを保ちつつ、世に送り出しヒットを飛ばしてきた。ファンを増殖させてきた。ディズニーの買収まわりのことはあまり知識はないけれど、客観的な事実として、これはすごいことだと思う。

知り合いにドキュメンタリー映画を主に扱う配給会社の社長がいる。彼が取り上げたい対象には共通する要素があるという。それは「変わらないために、変わり続けている人や会社やコト」だそうだ。ぼくはそれを聞いたとき、ふとマーベルを思い出した。