DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

317日(「怒り」から企画は始まる)

「怒り」は行動に移しやすい

日常生活でよく怒る人がいる。はたからみれば気が短いとかそういうふうに見られてしまうこともあるかもしれない。だけど、ふつうの人が見逃しているちょっとした気づきをその人はキャッチできている可能性がある。

たとえば「すべらない話」の派生版で「ゆるせない話」というものがあるけれど、文脈として「~にしとけや!」みたいな話のおとしどころが多々ある。ときどきハッとさせられる。

そこから行動に移せるか。だったら自分がやるわ!というように。ぼくは、消費者が消費者としてつくり手にまわる動きに注目をしている。プロコンシューマーというところだろうか。

たとえば先日参加したオレンジ&パートナーズのコミュニティでは、一般の50人が集まってブラックモンブランという九州で有名なチョコアイスを東京でどのように展開すべきかというブランドデザインをする。ブラックモンブランの会社からは予算も出ていて、チームのプレゼンでよかった企画を実行するところまで話がついている。まさに消費者がつくる流れである。

 

話を戻す。つまり、プロフェッショナルとアマチュアの境界線がなくなってきている。仕組みさえあれば、怒りの感情をきっかけに、消費者がつくり手にまわることは今後も容易に想像ができる。さらにおもしろいのは、プロコンシューマーだから取り組める領域や届けられる層があるということ。

昨日、20代向けの映画フリーペーパーを発行する編集長といろいろ話をした。まさに彼は怒りからつくり手にまわっている。自分が映画について知りたいと思ったときに、ものすごいコアな専門誌か、女性向けにふりきったライトで写真集のような映画雑誌しかない。中間がない。じゃあ自分でつくろうと。いまや15,000部を発行する、出版社も驚くレベルまで成長している。

 

プロジェクト型の働き方

先述した映画フリーペーパーは、プロジェクト型で動かしている。基本は編集長ひとり。会社という仕組みにすることで得られる信用はあるが、現状はプロジェクト型が小回りが利いていいという。要は、趣味の延長であって、収益を求めていない。だからこそ、人は協力するし、ここまで広げられた部分もある。会社のロジックでは成立しないものが勢いをつけ始めている。

働き方改革の文脈のなかでプロジェクト型が語られることがあるけれど、もしかすると、会社はもう古いという時代になるのかもしれない。プロジェクト単位、個人単位で投資する。趣味の延長でプロダクトとファンが可視化しているのだから、よっぽど応援したくなるわけで。事業計画書つくる前に趣味で始めようぜと。そのための原資は本業になるのだけど、この「本業」の考え方も変わってくるだろう。

会社にはR&Dがある。ただし、投資する以上、得られる成果なしには始まらない。会社である以上、企業活動にとっての成果は売上につながる事柄となりやすい。要するに、少なくとも儲けるための知見や示唆は得られるか?みたいなこと。そこでつまづくこともある。だったら小さくてもいいから趣味で始めよう。そのきっかけは怒りのようなふとした感情なのかもしれない。