DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

203日(株主と会社、ファンとアイドルの関係性)

会社と個人の関係性について考えるなかで、個人株主という存在に興味を持った。法人ではなくあくまで個人。b to cの領域においては、顧客つまりファンが個人株主になる場合がある。ではその個人株主の比率が多いとメリットがあるのか?

まず個人株主の比率を高くした会社の例として、カゴメが挙がる。00年の当時6000名ほどだった個人株主数は、施策の効果もあって05年には10万名を突破、いまや16万名を超えるという。

実際、カゴメは00年に10万名にするという宣言をしている。その後、株主優待の充実(モノはもちろん工場見学等のコトも提供)、また個人株主が株を買いやすいように価格や購入の単元の調整を図ったという。

主婦から口コミが広まり、個人株主は増え続け、全体の株主比率の99.5%を占めるという。すごい。なぜカゴメはここまで個人株主にこだわったのだろうか。

一般的に言われているメリットはいくつかある。まずファンの可視化とファンとの結びつきがより強固になるということ。顧客向けの目線。また場合によるが株価の上昇が見込め、結果として企業価値を高めることにつながりやすい。

そして敵対買収のリスクを軽減できるということ。持ち株企業の発言権も言ってみれば相対的に下がるため、そのへんの事情込みで個人株主比率を上げようとする企業も実際あるようだ。

ここは裏返しで考えると、社外取締役や経営者の一部については、個人株主比率が高くなることに対して、難色を示すとしても不思議ではない。優良顧客の臨界点が個人株主というロジックでていねいに説明する他ないだろう。

ぼくはカゴメの事例を調べていて、ふとアイドルとファンの関係性を考えた。ありていだけど、AKBグループはまさに企業と個人株主=経営者の視点を取り入れいるだなあと。

わかりやすいのが選抜総選挙イベント。個人株主が持つ株数に応じて、企業の経営者(1軍のメンバー)を決めるようなもの。あのイベントとは、個人株主における経営への参画なんだと。民間人と議員のいわゆる選挙よりも、こちらの方が親和性がある。

ひとグループのアイドルがどうやってスケールをしていくか。かんたんに調べると、ファン=個人株主という関係性に見立てて、株を発行してファンに購入してもらい、活動費をまかなっている地下アイドルがいるらしい。

地下アイドルのマーケティングの方向としてはわりと合理的なのではないかと思う。企業と株主の関係性、もうすこし深掘りしていこう。