257日(コンテンツビジネスを考える)
衝撃的な第1回目の放送。上岡龍太郎はかつて「EXテレビ」の初回の生放送において、カメラ一台と自分の語りだけで番組をやりきる伝説を残した。「なかでもどんなテレビをつくってみたいか?」と聞かれたら、この初回放送のような、極限まで削ぎ落とした純度の高い番組を、答えるかもしれない。つくり手という視点ではたしかにそうだ。
ただその一方で、コンテンツビジネスという言葉へのこだわりが自分のなかにある。リアルタイムでテレビを観て育った時期を考えてみると、ちょうどコンテンツビジネスとしてテレビ局が放送以外の多角的な展開をしはじめた頃と重なる。いま考えると、そんな要因もあるかもしれない。
コンテンツビジネス。テレビ業界のなかでは、00年代からちょくちょく使われるようになったワード。フジテレビの「踊る大捜査線」の映画化が一つエポックメイキングになったと考える。
コンテンツビジネスとはつまり、番組やら一つのコンテンツを、多面的に展開することでビジネス化しようとすること。
たとえばテレビドラマを例にすると、映画化・舞台化・ノベライズ・コミカライズ・キャラクターのグッズ化・LINEスタンプ・シナリオの書籍化・DVD、ブルーレイ・サウンドトラック・ロケ地ツアーなど多種にわたる。
お台場冒険王のような局主導のイベントも放送外収入という点でコンテンツビジネス的な発想から生まれている。こちらも00年代から各局はじめている印象だ。
いまやテレビ局の当たり前となっているコンテンツビジネス。ちょっとずつ自分でも関わりを持ちはじめた。ようやくいま一つの番組関連ツアーが実現し、ただいま京都から奈良へ向かっている。一歩ずつ。