DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

229日(ローカルをいろんな角度で見る。)

映画監督の中川龍太郎さんと、灯台もと暮らしの会社の代表を務める鳥井さんをおつなぎした。

中川監督の「四月の永い夢」を観終わったあとだ。鳥井さんにつなげば、きっと話が合うだろうなあ。ふと思ったことがきっかけ。おふたりは意気投合していて、これから何か展開につながってくれたらうれしい。ぼくも手伝えることがあるならぜひ協力したい。

さて3人で話していていろんな刺激をもらったのだけど、一つローカルの見方についておもしろいと感じたことがあった。ローカル=地方の魅力を伝えたいと思っているのは3人とも共通しているけれど、深さはもちろんだけど、その入り口にも角度があるような気がした。

つまりそれぞれちがうところがある。逆説的にいえば、それだけローカルには興味の間口が広くて、ポテンシャルがあるということ。

たとえば鳥井さんは、これからの暮らしを考えるという視点でメディア運営をこれまでされていて、確固たるブランドを築いてこられた。「暮らし」をベースとして、その場所に取材で赴いて記事にして発信することもあれば、その地でワークショップ等のリアルイベントをすることもある。

中川監督はこれまで映画の撮影ロケ地などで積極的にローカルを取り入れてこられた。画一的な場所にしないことでオリジナリティが出ることもあると思うけれど、中川監督にはこんな気持ちがある。それは何かというと、映画にはアーカイブの機能、つまり保存できる力があるということ。

ローカルにあって、あと数年もすれば無くなってしまうような場所、モノ、ヒトがある。目に見えない技術、雰囲気、空気感などもあるかもしれない。その場所でフィクションというかたちで役者が生き生きと演じて映画になれば、その地は映画がある限り、残り続ける。

「死者は踊る」という話がおもしろかった。たとえばかなり前の映画作品をたどれば、白黒のサイレント映画に行き着く。考えてみれば、その作品を撮った監督、スタッフ、演者、関係者、誰ひとり生きてる者はいないのである。そのロケ地さえ、いまは現存していないかもしれない。しかしフィルムを回せば演者が画面のなかで演技という名の踊りをみせるのだ。

ぼくは自分のおもしろいに光を当てたり、拡声器のように多くの人に伝えたりすることで世の中に貢献したいと考えてきた。そのなかで人の心をゆさぶるコンテンツとしてわかりやすい、エンターテイメントにこだわってきた。

しかしたとえばエンタメに限っていえば映像コンテンツその周辺ジャンルは飽和している部分も感じていた。周りを見渡したときにローカルがあった。まだ日の目を浴びていない「おもしろい」はたくさんあるし、そこには伝える意義がある。

ざっくりではあるが、企画を通じて課題を解決できるというローカルに可能性を感じ始めたのが昨年あたりから。人の心を揺り動かす広義の意味でのエンターテイメントは、ローカルにもたくさんあって、そこを知ることから始めたい。観光業にも非常にポテンシャルを感じている。

再来週はオレンジアンドパートナーズと竹下製菓さんとの取り組みで佐賀に行く。楽しみだ、下調べをはじめよう。