DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

286日(オンとオフを考える)

「とっくにスイッチがこわれてんねん」

明石家さんまさんが後輩から仕事以外も「さんま」であり続けることに対してオン・オフはないんですか、と聞かれたときに答えていた一言。ぼくは素直にいいなと思った記憶がある。多少は影響を受けていて、仕事をするようになってオン・オフをなるべく意識しないようにしていた。かんたんなところでいえば、休日だとしても、かばんの中身を変えない(IDカードや社用携帯を常備)、服装も変えない(自分だけいつもの格好ではずかしいときもあるが)。

ときどき知り合いにオンとオフについて聞かれたときは「ゆるーいスイッチオンをずーっと維持している」と答えた。常に一定のオン状態を保っていれば、休日中にイレギュラーで発生する仕事の心がまえができているから取り組みやすい。最近はほとんどないが。あとは月曜日の憂鬱が相対的に少ない。

スイッチではなく、自転車のギアのようなイメージ

考えてみると仕事とプライベートの切り分けをスイッチと見立てて、オンとオフという言葉が定着している。だけど、ぼくにとってはスイッチよりもギアの方がしっくりくる。「パチッ」と付くかつかないかではなく、ギアを入れてメモリが1~5くらいまであるようなイメージ。その強弱をモチベーションやコンディションで管理する。

ただスイッチの方がわかりやすいようで、たとえば医者の南雲先生はオンとオフを分けていると著書にある。仕事場から家に戻ればすぐにお風呂に入ってパジャマに着替える、と。実はこの話は外界と家、という点での切り替えの話。たしかに家と外では、オン・オフの考え方もあるなって思ったり。

仕事とプライベート。ここがよく言及される。この観点での切り分けでいえば、落合陽一さんはワークライフバランスではなく、ワークアズライフで考えるべきだと主張されている。日本ではもともと仕事とプライベートを分けていなかった。仕事つまり「業」が生活の一部に組み込まれていたのである。その意味で、そもそも切り分ける必要がないということ。

Amazonが創業して拡大へ向かう時期、ジェフ・ベソズは採用面接で「ワークライフバランス」といった候補者は全員おとしたという。「仕事に没頭してくれ!」という想いからだ。経営者の想いが強すぎると、当然歪みが労働環境にあらわれてくる。

むずかしい領域ではあるが、現在では「働き方改革」というワードが広く企業のなかで言われ始めている。いい面も当然あって、リモートワークなどは全体的に肯定している。ただ、大きい意味で働き改革を実現するのには、話が大きくなってしまうが、成長第一義主義の株式会社の構造の歪みをどう是正していくかも大切だと考えている。

サステイナブルなものにするために個人はもちろん、会社や組織も、ギアの切り替えがあってもいいかもしれない。