228日(組織のあり方がどう変わるか)
組織は固定から流動化へ。
家入一真さんなどが提唱しているように、組織における仕事はプロジェクト化していくと考えている。分散する。
たとえば会社に属するサラリーマンは、一つの会社に留まるのではなく、プロジェクトをいくつか抱えてパラレルに進めていくようになる。フリーランス化といったた方がわかりやすいかもしれない。会社と個人の関係が徐々に変化していく。
そういった時流を考えれば、コワーキングスペースのWeWorkが伸びていくのは必然だし、Slackのようなコミュニケーションツールの利用が増えるのもうなづける。
逆にいえば固定オフィスに紐付くようなto Bのビジネスモデルのサービスは転換を求められるかもしれない。たとえばグリコのto Bのサービスであるオフィスグリコが、このまま伸び続けるかと言われれば、皆が肯定するとは思えない。
で、じゃあ固定の組織が旧態依然の仕組みですべてがよくないのかといったら、そんなことはない。組織としてヒトをしっかり囲うことで育てられるカルチャーは確実に存在する。
たとえばジブリはこれまで関連の美術館のカフェスタッフまで正社員として雇ってきた。もともと東映系のアニメ事業からやがてジブリになるのだけど、そこにはヒトを囲うという思想が宮崎監督にはあった。アニメーションはとくに技術が属人化している意味で、実写映画よりも顕著なのだろう。
たしかに組織として腰を据えてじっくりやっていくのは非効率だ。だけど時間はかかるけれども、そこで育ったヒトや生まれる作品には「らしさ」文化が芽生える。全員がフリーでその場かぎりの現場でやっていってはノウハウが得られず、成長しずらい環境になるのはなんとなく想像できる。
形骸化した固定の組織がだんだん解体されていき、即席のプロジェクト型にシフトしていく。そしてやがて組織としては脆さを含むプロジェクト型の弱点が見えてきて、たとえば少数精鋭のアニメスタジオをつくろう!みたいな動きが起きてくる。
いまは転換期なのだろう。懐古主義で単に昔がよかったといって真似していては、きっと上手くいかない。だけど、参考にする部分はある。いまに合わせたアップデートによって、業界それぞれで新しい組織のあり方が見えてくるはず。