239日(本の読み方のアップデート)
図書館ばかり行っていたあの頃。
時間がたっぷりあった学生時代、国際関係論にちょこっと興味を持った。分厚い本を何冊かピックし、一日の時間をかけて図書館で読み込んだ。小室直樹あたりかしら。
予備知識もそんなにない。頭から読み始めて、眠りかけてまた起きて読んで。ようやく三冊を読み終えたときは「ついに読了!」と達成感があったけど、何にも残っていない。読み終わることが目的になってしまっていた。それは淡い思い出として残しておくとして。
小説以外、いまはこういう読み方をしている。備忘録として残しておく。
まずは「はじめに」とあれば「おわりに」をセットでじっくり読む。次に目次を眺める。そこで自分の未知と既知を整理する。未知のなかでは、直感で自分の好奇心にふれるものをピックする。
そのときできるだけ心の中で対話をできるようにする。具体的にいえば、好奇心のある未知の領域において、どんな内容が書かれているか予想してみる。
クイズのように正解を出すというよりかは、こういう文脈でおそらくこういった内容が書かれているだろうな、といったイメージ。目次から行間を読むというか。たぶん松岡正剛なのだけど、他の方でもこういうふうに読んでる方がいて影響された。
そしてあとは読んでいく。とくに気になる章などあれば、もろもろすっとばしてそこから読むようにしている。あとは部分的に気になる周辺をパラパラと読む。それを繰り返して全体を通してバーっと読むことで、大枠の内容を掴む。これで一冊おわり。
読み終えることが目的では別にないけれど、自分にとってはこんなかんじがちょうどいい。あとは「いいな」って思うところはメモをすることもある。備忘録としてここに記すこともあれば、読み返すこともある。
一冊とグーっと向き合って、無理やり時間をかけて読んでも頭に入ってこないケースって往々にあるのではないかなって。眠くなってしまうというのは、自分がそこにそんな興味がないっていうサイン。もしくは読み方がよくない。
いえることは、本を一冊読むというハードルがこれまで高かった。それは読み方を知らなかったから。それでも読もうとしてきて、インプットと自分なりのやり方でようやく板についてきた。
「本を読みなさい!」という一方的な啓蒙活動よりも「こういう読み方ってあるらしいよ」って、小さい頃から教えてあげられたらなあって。