DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

244日(人の人生をリアルに追体験することができる時代)

海外でVRを使った、ある番組が流行っているらしい。

テレビ東京の知り合いから聞いた。これまでVRは、ざっくりいえばアダルトとホラーをきっかけとして伸びてきた。没入感に浸れるコンテンツで、アーリーアダプターに受け入れられるもの。どうしても嗜好性が強くなりがちだ。だからこそオキュラスのような映画鑑賞などに使えるものには興味がある。

で、その海外の番組は、恋愛のリアリティショーの用途としてVRが採用されている。そういった番組とは日本でいえば、テラスハウスであり、あいのりであり、バチェラージャパン、あとアベマTV系。そういったコンテンツに該当する。

恋愛リアリティショー×VRとはどういうことか、かんたんに説明する。まず女性陣は、VRゴーグルを付けて、男性の候補者たちの一日を追体験する。ポイントは、この追体験はVRの機器を着用して見える世界、つまり主観の映像が映し出される。候補となる男性が、たとえば同僚や友人とどのように接しているのか。

ふだんの生活を体感することができるのである。これは画期的だ。そして主観の映像となるため、女性はVR機器を着用している間、男性の姿そのものは見ることができない。ここがおそらく企画の肝で、おもしろい。

追体験が終わったら、女性はその男性の人となりや生活を垣間みて、吟味する。そこから絞っていく。そして最後まで残った男性候補とついに対面となる。中身で選んできた女性は、そのラストで男性の姿と向き合うことで、どのような判断をするのか。

中身と見た目を問うような番組のつくりになっている。人間にとって見た目は、どれだけ重要なのか。ちなみに男性はそもそもの前提として、女性を見た目で「いい」と思った方たちで集まっているらしい。

その人の人生を一部とはいえ、リアルな追体験ができてしまうVR。この先もいろんな可能性があるように思う。たとえば職業体験であれば、中途半端に話を聴くよりも、よっぽど生の感覚を味わうことができるだろう。子供の教育として◯◯をしたらどうなる、という啓蒙にも使われていくんだと思う。そうなってくると節度が必要になる。ただ一ついえることは、新しいビジネス商機が必ず出てくるってこと。

冗談でこんな言葉を聞いたことがある。「そんなに疑うならおれ(自分)になって一日過ごしてみて、大変だよ」。さらっと流していた言葉もやがて、「本当に大変かどうか」追体験できてしまう時代がきているんだなあ。見える化が進んでいる、2018年。