DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

262日(人間観察とフードコートとペルソナ)

最近たまたま茨城県のフードコートに訪れる機会があった。
ぼくはフードコードの雰囲気が好きだ。マクドナルドやロッテリアなど知っているお店が並び、広いスペースで食事をする。おしゃべりをする。ゆっくりする。周りを見渡して人間観察をするのがとくに好きだ。

ぼくのオススメは空港のなかに入っているフードコート。これから旅をする人たちが何を考えているのか、到着後何をするのか。ワクワクしている人が多い。会話から聞こえてくる内容で楽しんでいる自分もいたりする。

冗談かもしれないけれど、よく行く赤坂のカレー屋のマスターは、休日の日にわざわイオンのフードコートへ行って、ぼけーっと人間観察をしているらしい。家族連れがいればカップルもいれば、ひとりたそがれている人もいる。いろんな人間がいる。ふつうや平均の実態がないように、そこにはたしかに「人」が訪れている。

「タイニー・タイニー・ハッピー」という小説を読んだ。小さな幸せという意味を込めてネーミングされた、ある大型ショッピングセンターに務める者たちの恋愛・人間模様を描いた小説。漫画化もされているらしい。解説などにはとくに目を通していない。あくまで推察だけど、舞台となっている大型ショッピングセンターはイオンがモデルとなっている。まず間違いない。

都市郊外、田舎にあるイオン。そもそもあなたはイオンをどうとらえるだろうか。三浦展が言うところのファスト風土のような、地方の風景が画一化してしまっている負の根源とみるか。はたまた、ただでさえ人口減少が進む地方における救世主ととらえるか。イオンは人口減少が進む地方にとって、コミュニティや受け皿としてのプラットフォームになりうるのか。

ぼくはイオンに期待したい。ありていの話だけれど、もっと色を出していいと思う。色あせて見えてしまうところも正直ある。小説でもあるように、一日そこで過ごせてしまうライフスタイルがあってもいい。託児所や教育施設、なんなら住宅部分までワントップのソリューションとして、イオンがそこにあってもいいのかもしれない。

イオンのフードオートに行くと、どこかなつかしい。都市郊外、地方で育っている人は本当は多いんだけど、とくべつみんな口にはしない。世の中を考えるとき誰を満足させることができるかを考える。よくペルソナなんて言うけれど、都市郊外のフードコートは、いわゆるマスを考えたときの最適な場とも言えるかもしれない。