DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

300日(ブームを支える言葉たち)

「スー女」「プ女子」というネーミング

ファッションの世界では当たり前のように、「今年の流行色」なんてことが言われている。流行るかどうかは関係なく、「ギョーカイ的にココ推していくんでよろしく!」のようなイメージ。トレンドを業界が決める。トップダウン式なのだろうか。

最近気になっているのが女性ファンのネーミング。相撲ファン=スー女。プロレスファン=プ女子。どのような経緯で言葉ができていったのだろうか。たとえばプロレスなら00年代初頭に低迷の時期があって、そこからいろんな団体の努力があって、わかりやすいところだと新日やDDTのようなビジネスの上手さも相まって盛り上がってきている。

おそらく女性ファンは昔からいて、そういう方は歴史をずっと見てきたのだろう。話を聞いてみたい。で、時代が追いついてきて、新規の女性ファンが増えてくる。その兆候を「誰か」がつかまえて「プ女子」というラベリングをしたのか。それとも先に言葉、概念をつくって、あとからマーケティングで穴埋めしていったのか。

「プ女子」というワードで検索すると2014年頃から言葉として出始めたという情報はあった。ただし出どころは見つからない。自然発生だとしたら、それはそれで興味があるし、企業がたくらんで、姿をくらましながら、言葉を開発して世に出したなら、それはそれでアッパレである。

たとえば草食男子という言葉に対して、ロールキャベツ男子という言葉が、ネーミングした企業とともに世に出ると、受け手は興ざめする。「押しつけ」の印象、ニュアンスが出てしまうからだ。このあたりデリケード。だから企業は誰かに言わせたり、現象を仕込んだり、なるべく自社の色が出ないようにする。

その意味では、雑誌は堂々とこれまでやってきている印象がある。本の売上はさがってきているけれど、人格のあるトレンド発信は、あった方が文化として健全なのだと思う。分散化社会になると、1対マスにおける「1」の影響力がどんどん薄まってくる。

いわゆる「社会現象」はなかなかつくられなくなるんじゃないか。どんなにお金を使って発信を最大化しても、オンデマンドで自分の好きな娯楽に消費されてはいっこうに届かない。そんな現代だからこそトレンドとして出てくる「言葉」に注目する。まずはプ女子に関する書籍を購入。プロレスのおもしろがり含めて、参与観察したい。