DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

311日(「バーフバリ」を観て)

ハーフバリを観た。インドで歴代興行収入1位ということ。制作費も含めて壮大なスケールで描かれている本作。あえてインド映画を観るというレベルを超えているエンターテインメント作品。スカッとする浮世離れのアクションは、神話のような語り口で一定のため違和感ない。これまでかというほどにテンションがアガる!

 

古代の架空の王国に焦点を当てている。3代にわたるスパンの長さで王家の栄枯盛衰が浮き上がる。ここの人物関係もていねいに描かれており、ぼくはいたく感情移入した。自分でも驚いているけれど、国母と呼ばれるシヴァシン。主人公の母親だ。

 

シーンとしては王家の母親と息子バーフバリの関係に黄信号がつく場面。手塩をかけて育て、2人の息子のなかでもとくにバーフバリを愛していた母。ちょっとした勘違いから、自分の面子と国の威信、要するにプライドがじゃまする。かけちがったボタン、ささいな出来事をきっかけに、振り子のゆれがどんどん大きくなる。貶めようとする兄のせいもあり、もう後戻りができない状況に…。

 

どんなにそのときはいい関係性を保っていてもその環境が変わることで家族でさえ一瞬で崩れることがある。

 

この作品は完全なる伝統的な古典のつくり。だからこそ王国の話だけではなく、どの世界でも共通することなのではないか、そう思った。身近でもそう。進学や就職、引っ越し。ちょっとした環境の変化。固定のものは一つもない。

 

ちょうど10年前ほどのテレビ番組を観る機会もあったんだろう。明日も続くと思われるように一度番組が終わっても、何かがなければ二度と番組は復活しない。それに紐づく形で、出演者もその番組でしかレギュラーがなければ、別番組に呼ばれない以上、その出演者がテレビにふたたび出ることがないのである。それこそバーフバリのように、ちょっとした関係の変化でまったく出ることがなくなる人がいる。

 

実生活においても、久しぶりに再会して、意気投合して週2回飲む。その後またあいましょうと別れて、一生会わないなんてこともあるわけで。映画から学んだことは、人との出会いをかみしめることと、環境の変化による人間関係のうつろいは諦観しよう。