DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

345日(ローカルへの考え方について)

最近、ローカルへの考え方が変わってきたので記しておきたい。

「自分はちがう」と思っていた

地方創生などのワードが出始めてからもそうだった。世の中の流れ、とくにウェブ業界のトレンドとして「ローカル」がきているのは感じていたが、まるっきり他人事だった。プロブロガーの方々が、地方に移住した生活スタイルそのものをコンテンツにしているぞ。知り合いの鳥井さんが、灯台もと暮らしでローカルの暮らしにスポットを当てていて、ときおり記事も拝見していた。その程度。あくまで「自分は自分」だった。ぼくは芸能にこだわって、いわゆるエンタメにおいて「おもしろい」ものを発信する表現者に目を向けていた。

「おもしろい」のスコープを広げてみる

人生100年時代のライフシフトなどきっかけとして、自分自身の一生を考えるようになった。「芸能」に特化していたが、もうすこしスコープを広げてもいいのではないか。たとえば自分の「おもしろい」に光を当てるとして、その感情の対象は何も芸能だけではなくていい。陶芸家の千代雷央くんを取り上げたときから感じ始めた。明治時代の陶芸家、宮川香山はもっと知られるべきではないか?なんてかんじで。

過去から方法を学ぶ

生き方を考えるようになってから、木村蒹葭堂、白州次郎、細川護煕等々、過去から学ぶことがたくさんあることに気がついてきた。そのものを歴史としてただ学ぶのではなく、方法として一部抽象しながらも、実践できるはずだ。そう思うようになった。いま振り返って思うのは、ぼくはローカルで活躍する人について下地がなく「今」を知るだけでは関心を持てなかった。

しかし、たとえば平安から鎌倉にかけて、西行が現代でいうノマドの走りだったことを知る。そして当時から西行のフォロワーが何人も出てきたことを知ると、「過去」から「今」につながる。そういう目線でもってイケハヤさんの書生をとらえると、ちがう見方ができるようになる。

「共創」ってなんなんだ

マガジンハウスの手がけるウェブメディア「コロカル」、ナガオカケンメイのd47、鳥井さんのツイートなどをみて感じるのは、ぼくたちが知らないだけで、そのローカルに根ざしたかたちで、おもしろいものに光を当てて、自ら発信している人はたくさんいる。

香川の仏生山を訪れて、「共創」を考えさせられた。事業計画にさらっと書いてしまうようなワードだけど、まさにそこに「共創」がそこにあった。その地方の生産者・消費者を盛り上げていくことが第一。外部からイケてる方々をひっぱってきてもいい。大事なのは、「そこ」で根ざしておもしろがってくれる人を、どれだけつくれるか。一過性のブームは不要だ。だから、届く人に届けばよくて、大々的なプロモーションも不要になる。ゆえに、情報を取りにいかなければ知らぬまま。

芸能へのコミットは人生ひまつぶしのワンノブゼムである。ここ数ヶ月で視野が広がっている感覚がある。特化することは、何かを決めて、何かを捨てることでもあって。自分を長いスパンでとらえられるようになった。決めるまではまだ時間をかけていい。あとは世の中とどうやって、主導権をもったうえで、接点をつくっていくか。考えていきたい。