DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

346日(弾丸旅を通じて考えたこと)

香川の旅をかんたんに綴る。

交通まわり

香川へは直接新幹線はつながっていない。まずは東京ー岡山まで新幹線、3時間20分ほど。
そこから30分ぐらい岡山ー香川の在来線の特急電車にゆられて到着となる。途中、離島と海がみえて景色がいい。新幹線は快適なのだけど、交通費はそこなりにかかりますな。飛行機と比べて本数が多いので便利なのだが(ジェットスターががんばっている。羽田発着でお願いしたいところ。)、岡山からの帰りは自由席しか残っておらず、グリーン車席をはじめて購入(+6000円は驚いた)。新幹線の帰りは「エイや」で事前購入すべきだ。弾丸だから仕方ないとして今回は割り切った。

さすが、うどん県

高松駅に到着してから、うどん屋の多いこと。Googleマップの口コミ評価も一応チェック。昨日はホテル近くの福田屋本店で温かいきつねうどん。汁をすべて飲み干してしまった。そして本日「香川はおおらか」で紹介されていたうどん屋の一つ、上原屋本店へ。

栗林公園ちかくに位置しており、観光ついでに流れてくる人が多いよう。見るからにして人気店だ。今日もにぎわっていた。並んで食器とトレイを取ると、まず先にトッピングまわり。揚げ物などかなり充実していて、いやさすがだ。そこからうどんをもらって、会計するシステム。東京のうどん屋でも体験済みだ。

しかし初めてだったのは、どんぶりに入ったうどんをいただいた後、自分で湯切りすること。5秒間ほど自分で「湯切る」(ラーメン屋さんがよくやっている、あれだ)。そこから出汁をレバーを引いてジャーっと出して、お好みでねぎ、天かす、しょうがをのせれば完成。味は言わずもがな。ごちそうさま。

地方の活性化の見本があった

香川はじめ四国、他県も含めたこだわりの商品を置いている「まちのシューレ」。たとえば高知県の農家手づくりの芋ケンピ。香川のメーカーが素材にこだわってこしらえた食べるラー油。どれも気になる。ロロロッソというレモンまわりの商品を扱うつくり手の方が出張販売をしていた。まあなんとも空間全体の雰囲気がいい。カフェや雑貨屋が併設してあって、別のお店なのだろうけど、トーンが共通していて、居心地がよいのだ。

都内の地産に力を入れているアンテナショップはこちらを見習うべきだ。地元の人が買えるものを、観光客は買いたいのだと思う。いわゆるアンテナショップはただお土産を置いているようなところもあり、そこに生活やこだわりが見えてこない。せっかく赤坂や銀座にかまえている、のにだ。「まちのシューレ」の発想は、ぜひ東京にもあるといいなと感じた。

そして近い感情を覚えたのが、仏生山温泉。評判通りのスタイリッシュなデザイン。おちつけるくつろぎの共用スペース。サウナはもうすこしがんばっていただきたいが、温泉も素敵だった。ここで社長の岡さんの記事を思い出した。まちぐるみ旅館と銘打って、温泉以外にも生産者を集めて、盛り上げている。100年続けることを考えると、成長は年1%でいい。へんなブームにならぬよう、プロモーションも控え目にしているという。

それでも、地方を巡っている人たちのなかで、いいものをつくって、地元を盛り上げていれば、きっとそれは評判となって、ぼくのような一般の人間にもその声は聞こえてくる。いわゆる観光客が目立たないつくりというのは、地方を活性化させるにあたって重要なキーワードなのではないか。

観光客が記号としてその地方を消費したところで、それは一過性のものだし、地元の人に根付かない。たとえば「まちのシューレ」や仏生山温泉、その近くにある「へちま文庫」。地元の消費者と生産者への目配せを感じる。

おでんのことことの素敵なマダム、バーのメロバーをはじめ、地元の方とも会話ができてよかった。くつわ堂の接客は、ていねいの具現化と思わせるほどしっかりいている。本で読んだだけでは街の魅力は知り得ない。まず動くことを今回学んだ。