DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

357日(雑談しているときに、引き出したい3つの要素)

最近、人と雑談をしていて気付いたことがある。

基本として知り合ってからはまず雑談をきっかけとして、距離を縮めようとするわけだが、自分が投げる話題・質問がだいたい似通っている。もっというと、自分が人から引き出したい要素が固定してきている。

大きくこれら3つ。「好きなこと」「はまっていること」「いまおもしろいと思うこと」。幅がせまいと言われても仕方ない。ただ考えようによっては軸がブレないともいえる。光浦靖子さんは「変えようと思っても変えられないものが個性」と言った。そんな言葉に甘えながら、今回それぞれをもうすこし踏み込んで可視化してみたい。

①「何が好き・何に興味があるか」
キーワード:嗜好性、パーソナリティ、思想、環境、アンテナ、背景、文脈、余暇

どういう人かを知るためには何が好きかを聞きたいところ。ただし、いきなり「好きなことは何ですか?」と聞くのは野暮だし、お見合いでもあるまいし。ちなみに「休みの日何してますか?」という質問は一周まわって大喜利だと思って答えている。

そうならないために、会話の文脈からまずは探っていく。ちょっとした言葉の端や反応、持っているアイテム、着ている服からそんな話につなげられるといい。「あれ?そのクリアファイルを持っているってことはラストアイドル観てるんですか?」わかりやすいところだと、そんなイメージ。

②「何にはまっているか・はまったか」
キーワード:熱中、没頭、夢中、忘我、偏愛、語り、客観、深さ、引き出し

はまっているものを次々に変え、それらアイテムを通じて自らのブランディングに昇華させたのは、みうらじゅん。カルチャーへの造詣が深い芸能人なら、はまっているものがスラスラ出てくる。それだけよく聞かれる質問なのだろうが。

人は誰しもはまっているものがあり、行為として熱中するものを持っている。けれど自分が打ち込むものに対して客観性がないと、人に語れない。最近気付いた。はまったことを熱く語れる人は(しかもいろんなジャンル)実はそんなにいない。

たとえばアメトークに出演したい芸人は常に自分のはまるものを相対化して、それが仕事になるかどうかを気にせざるを得ない。そこまでいくと極端なのだが、語りにも熱が入るような「はまること」がある人生は素敵だし、それを体現している人が大好きだ。

③「いまなにがおもしろいか」
キーワード:時事性、トレンド、課題、展望、野心、考察、雑学、見解、目線、世界観

文脈がそろう。「その上で」いまおもしろいと感じることが聞きたい。抽象的かもしれないのでたとえば。ぼくは日本文化に関心を持って、その上でいまおもしろいと思っているのは、昔と現在の憧れについての共通点。

ときは平安時代。若くして出家し、旅をして、桜を愛した西行はノマドの走りといわれる。実は当時から西行の生き方、生き様に薫陶を受けたフォロワーが何人もいたといわれる。「とはずがたり」の二条は女西行といわれた。

現在でもスターのノマドワーカーに憧れる人は多い。プロブロガーしかり、四角大輔さんのような方も該当するだろう。平安と平成。1000年経っても「誰かの生き方に憧れる」という事象そのものは、まったく変わっていない。ここがおもしろいなって。西行の生き方から学ぶ、なんてコンテンツがいま流行るかもしれない。

このようなかんじで雑談がスウィングしていくと、レイヤーが重なってより深い話ができる。まったくの持論。こんなことを考えて雑談している者も世の中いるということで、締めたい。