DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

384日

仕事はじめの日。1/5金からのようだ。先月の28日からの休み。一週間ほどあったおかげでリラックスできた。ふりかえった印象として、休み期間のキーワードは「カレーと松岡正剛」だった。今年のこの休み期間で、この組み合わせ、日本で唯一と自負している。

なぜカレーは文化になごりのある場所で栄えているのか。神保町、下北沢、神田、銀座もろもろ。下北沢に好きが興じてお店を持っている、キッチュでおなじみ松尾さん、ラーメンズ片桐仁さんの対談のなかで「カレーは本を読みながら食べられる」とあった。これは言い得て妙だなと。

たしかにラーメンではまずいのだ。湯気もあるし、読みにくい。冷めるとよろしくない食べ物だ。牛丼もよくない。ごはんものだけど、回転が早いイメージがあるのでゆっくり食べにくい。ゆっくり味わい、食後のコーヒーに気持よくシフトできる「つなぎ」の時間がほしいのだ。読みふけりながら味わえる。やはり、カレーだ。

そんなカレーを家でつくるようになった。鍋を買った。タモリ流のカレー粉からつくる一品も、もうまもなく挑戦する。まずはオーソドックスで。基本に忠実。市販の固形のカレールーを1回に半分使用する。4〜5皿はいける。1日持つ。外食を減らしてカレーざんまい。苦ではない。自分でも驚いている。家置きのカレーのことを思って早く帰ろう。まるでペットだ。いや、カレーに飼われているのはぼくだ。

実際にカレーを食べながら本も読んでみた。その本とは松岡正剛。この休み期間に9冊こしらえた。骨太でまだ4冊目。今回こそどっぷりはまった。まず、2018年の目標として知る・伝えるの立体化を挙げた。ぼくは知ったときと、伝えたときに幸せの感情につながることがわかった。かんたんにいえばインプットとアウトプット。で、時間があるとどうしても、普段の仕事からはなれて、ゆっくりインプットをしたくなる。

歌舞伎、能、人物でいえば近松。このあたりをもっと知らなくてはと本にアプローチをしていって、気付けば松岡正剛に当たった。もともと著書は数冊、読んだことがある。千夜千冊もちらほら拝見しているし、男伊達というイベントにも参加した。ハイパーユニバーシティ、できるなら今年こそ参加したい。

ここへきてあらためて本がガツンときた。向き合えるタイミングがようやくきたなと。その膨大な知識に圧倒される。だけど、本質はそこじゃない。彼が本当に伝えたいのは知識ではない。それを通じて、横断して、独自の編集でみえてくる方法だったり、生き方だったりするわけだ。日本を基軸として自分との関係をつなげて、未来の生き方を考える。これは自分のアウトプットに必ず役立つと思い立って、インタビューの編集作業など全部すっとばして、松岡正剛のインプットに注力した。

もちろん、方法だけでなく、純粋にインプットの土台がなってないと「くやしい」感情にもなる。「幸田露伴、後藤新平、小林一茶、美空ひばりについて5分以上語れる人が減ってきた。」「源氏、能、空海、利休について〜」参りました。語れません。

おもしろがって新しいインプットするために、下敷きとなるインプット(知識と方法)をたたきこむ。読みながら「なんでこんなにおもしろいか!」とツッコミながら、時には笑いながら。これからからまた新たな刺激を受けて時間の過ごし方が変わると思うけれど、それでいい。とらえ方をいちばん学んだ。今日からまたがんばろう。