DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

397日

旅に出ようと思い立ったので記す。
なんとなく自分に足りないもの。それは「海外経験」と考えている。何年いたか〜とかではなくて、海外を通じて見えてくる日本、この視点を養いたい。話を聴いたり、本を読んだりするけれど、五感でふれることが大切だ。人間の内から湧いてくるエネルギーというか、プリミティブな感覚を肌で感じたい。

そういう意味でアジアがいい。雑多な市、マーケットで現地の方と本気でふれあってみたい。巡ってみたい。日本だとどうしても洗練されすぎている。旅行や出張で何度か海外に出たものの、基本はずっと日本。ましては価値観がゆさぶられるような経験はない。「君のいまの環境はぬるま湯だよ」。ある方から言われて自覚をした。熱くも冷たくも感じない湯に浸かる自分。ただ実は、なにも感じないのと「ぬるい」はちがう。他を知覚してはじめて「ぬるい」がわかる。ぼくは「ぬるい」かの本質はわかっていない。ちがうお湯に浸かることでいまの温度を確かめる旅だ。

そんな話をいきつけのカレー屋(もはやBar)でマスターとした。「年末・正月休みはどうするの?」休みの過ごし方をよく聞いてくれる。ぼくは最初、スマホを家において地方に温泉巡りをしにいこう。そう言った。まさに「ぬるま湯」。ぼくは自分の中の日本ブームが続いている。趣味がおじいちゃん化していることをおもしろがりながら、ネタにしている。文化を感じられるし、同じ世代とちがうことをしている実感。そしてユルく過ごせる安堵もたしかにあった。

「せっかくなら海外いってこいよ」「いましかできないわよ〜」マスターとママのご夫婦に言われてハッとした。ご夫婦は65歳。マスターはかつてよく海外に行っていたよう。「ではどこがいいですかね」そんな話になっていくつか国を挙げてみると、だいたい行っている。先の流れでアジアがいいねって話になった。行っている方の説得力はたしかなものだ。

できたらひとりでいきたい。リュックサック一つでさくっと行きたい。いわゆるバックパッカーはちがう神経を使うので、ユースホステルでなくていい。ただ、普通のホテルもつまらない。誰か知り合いがいないかな。そんな考えを巡らせていて思い出した。フィリピンにいた。商社に務めていて今年転勤で駐在している。連絡をとってみると、直通で4時間。つねに温かいらしい。ありかもしれない。日本を知るために、海外を感じてこよう。(航空券あるかな)