DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

408日

農業への憧れを言葉にしてみる。
農業を近いうちに始めてみたい。「いいなあ」この想いの根っこにはいくつかの要素がある。一つは資本経済から信用経済へのシフト。モノからコトへと消費スタイルが変わった。現代はモノ余りの時代。情報過多。

それゆえ消費行動は、刺激があるものよりも共感性あるものに寄る。CMで有名人がオススメするよりも、半径5mにいる信用できる友人が利害関係なく勧めているものに価値が出る。

ぼくは農業そのものが信用経済に近いと感じている。たとえば生姜をつくっていたとして、収穫の時期におすそ分けで近所を回る。するとキャベツの収穫の時期におかえしをいただく。交換経済。このプリミティブな感覚は、逆にいまっぽい。電子マネーで知らずのレジの方に「ピッ」とするのも便利。けれど、その反動が今後もっと出てくる。

また記号としての農業の交換経済では、基本として「明日のごはんへの心配」という雇われのサラリーマン的な発想からは離れることができる(もちろんビジネスとしての農業の領域はあると思うが)。キングコング西野さんのいう信用の貯金があれば、食を起点に生きる上で、自分の人生に対して主導権を握ることができるのだ。心がもっと豊かになる。

経済的な視点ともう一つはロールモデルとしての農業。よくロールモデルの考え方は、男性よりも女性が持っているとか、こだわりすぎるとよくないとか、そんな声を聞く。持論だが、ぼくはロールモデルはいいとこ取りの精神で上手に関わればいいと考えている。

たとえば農業でいえば細川護煕氏のライフスタイル。晴耕雨読。湯河原のお家で、畑を耕し、雨のときは読書。時間があれば陶芸に没頭する。素敵ではありませんか。カントリー紳士として白州次郎も挙げたい。小田急線沿いにある武相荘は一般開放されていて以前拝見した。都内なのだけど、自然が豊かで広い土地。こんなところで自給自足の農業にいそしむことができたなと思う。

あとは、おもてなしの精神として良寛。こちらからは都会には出向かないが、きてくれたら最大限おもてなしをする。素敵な姿勢だ。こんなふうに農業まわりのロールモデルがあるのでいいとこ取りした生活を送りたい。

人生のロールモデルの視点とあとは価値の創造。たとえばまた生姜。ゼロからつくって販売してもいい。いまはECサイトも個人でかんたんにつくることができる。直販だ。たとえばこの領域において、野菜にどのように価値を付けるか、というのはたいへんだろうけど、おもしろい。これまでの仕事で得たことや知っていることをぶつけてみたい。

3点挙げて思うのは、ぼくは田舎暮らしをしたいという想いが起点となっているわけではないということ。思想としての農業というか。「おもひでぽろぽろ」のたえこさんとはちょっとちがう。この映画のなかで言及されているように、実際にやったらたいへんでという考え方がある。そうだと思う。

だけどいまはシェアリングエコノミーが台頭していて、ちょっとしたスキマの農地を活用したビジネスがある。「シェア畑」。一般の方がスキマに新しい風をいれられるようになっている。都内にもちょっとしたスペースはいくつかあるようで、プロの方が管理をサポートしてくれる。そこで希望の野菜をサブスクリプションで育てていくというビジネスモデルだ。こりゃおもしろい。まずは、ここからはじめよう。