DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

412日

〆切を考える。
昨日に引き続き角田陽一郎さんの話から広げたい。まずはアイデア、ひらめきについて。多くの本には、アイデアは突然わいて降ってくるものではない。そう書いてある。日々の思考が芽を結んだとき〜という流れだ。角田さんは著書イベントのなかでいくつか、こういう話の切り出しをしていた。

「これは15分で思いついた企画ですが」。その短い時間でそんなアウトプットが?聞いている側はそう思う。それをうけて質問が飛ぶ。短時間で発想のコツについて。すると角田さんは逆なんですという。アウトプットが先に決まっていて、結果として15分でアイデアを出さなければならない状況にあったからだと。つまり、コツではなく外的環境の話になる。

火事場の馬鹿力というのは本当だ。〆切ギリギリで発揮される力というのは、あとあと振り返れば誰しも経験があるはず。角田さんは普段からギリギリまでやらない体質なので、ぼくみたいになると危険だと冗談半分で言っていた。たしかに何かあったときを想定すればリスクはあるかもしれない。だけど、その人に合ったやり方はあって、それは人それぞれだ。

とはいうものの、この〆切の追い込みの力とは何か。「〆切本」なんてベストセラーが生まれている。話が長くなるので本にはふれず「〆切力」を、ここで考えたい。かんたんにいえば、ギリギリの状況が高い集中力を生み、パフォーマンスを上げている。その一瞬にどれだけ集中できるか。これはエッセンシャル思考だ。いま一点のみに集中して対象に向き合うこと。

〆切の場合は、期限ギリギリという客観的事実が、他のいっさいを考えさせなくする。その意味で、エッセンシャル思考に適っている。ではどうすれば、普段から高い集中力を発揮できるのか。

まず一つは脳をだまして自分〆切を設けること。夏休みの宿題でいえば、計画的にやりましょう。これに尽きる。しかしだ。理想のスケジュールを組んだものの、実践して失敗するのがほとんど。自分で手前に〆切をつくって、実行していくには慣れが必要だ。小さな意識から始まる。まさに普段からエッセンシャル思考を心がけること。

もう一つは、環境を整えること。たとえばまとまった文章を書きたいとして、電波が遮断されていて、部屋に白い紙とペンしかなければ、それに向き合うしかなくなる。自分自身で環境をコントロールすること。一方で〆切は外的要因であって、客観事実としての〆切は動かせないはずだ。だけど、向き合うときの自分の周囲の環境は、自分で主導権を握って整えることができる。

その意味では、松浦弥太郎さんは習慣によって、余裕を持って「〆切力」を発揮できているのだろう。〆切力とは、その一点のみに集中して高いパフォーマンスをだすこと。よし、〆切力を常に出そう。まずは環境の主導権を握るところから。