DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

413日

「支える」を考える。
早起きした。「著者と語る」というイベントがあり、いざ渋谷へ。朝の7:30からのイベント。著者は元TBSの角田陽一郎さん。「好きなことをして生きていこう」という自己啓発のテーマで書かれた本。昨夜には読了。

イベントでは、本の内容以外の新しい情報を伝えるということで、サービス精神満載。おもしろかった。角田さんは話をするとき「おもしろいのが~」と幾度も切り出していた。このおもしろがり、好奇心の塊はいいぞお。刺激になった。

さらに、しゃべりながら関連づけて新しいテーマに話をつなげていくので、止まらない。フリとオチを意識されているから、脱線しても、「いまなんの話だったけ?」とはならない。講演会などで話す機会が多いよう、素敵な方だ。


話を聴いていて、いくつか印象に残ったことがある。そのうちの一つ。それは「あなたは司馬遼太郎と坂本龍馬、どちらになりたいか?」ということ。ご存知、坂本龍馬は、司馬遼太郎が小説で取り上げるまでその存在が忘れられていた。教科書に残す・残さないの議論があるように、いわゆる客観的な事実としての成果は少ないという。

しかしである。坂本龍馬には野心があった。テーマとしておもしろい。だから司馬遼太郎は坂本龍馬を題材にして小説をしたためた。そして大ヒット。日本における偉人として、坂本龍馬の知名度は跳ね上がった。

角田さんはいま47歳。10個以上年の離れたキングコング西野さんと山田孝之さんを前にして、支える側になろうと思ったそうだ。考えには賛同するが、プレイヤーとして第一線でアグレッシに活動するのは彼らに託すというか。上記の話でいえば司馬遼太郎になるということだ。

思い当たる節がある。以前、昔活躍したプロモーターの小谷正一に憧れた。新聞社に入社後、覆面小説として坂口安吾を口説いて起用したり、大阪万博を仕切ったり。野球のパ・リーグの創設にも関わっている。彼は、すこし変わっているような天才を好んだ。「天才とは三日月のようなもの。破綻を代償に才能が輝く」。そんな言葉も残している。天才の才能を活かして世に広めることをしていた。「ぼくもそっちの立場としてがんばりたい!」そう思った。

だけど考えてみる。支える側というか、広める側にも坂本龍馬の野心がないと説得力がない。黒子に徹するなら、黒子なりに死にものぐるいでコミットしないと。「自分は支える側なので」これがエクスキューズのように働いて、結果として保守的で控えめなことをしていたら元も子もない。

あらためて角田さんはアグレッシブだ。ご自身で名乗られている通り、まさにバラエティ・プロデューサー。「司馬遼太郎の立場にも、坂本龍馬の野心が必要だ」。今日の一つの発見。

 

ではスポットライトのように才能に光を当て、拡声器のように多くの人に素晴らしさを伝えるとして。


君のスポットライトは、どれだけの光で照らせるのか。君の拡声器はどれだけの人に伝えれて、どれだけの人の心を動かすのか。自分を鼓舞したい気持になった。今日もおもしろく、がんばろう。