DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

417日

いま考えていることは、企業と顧客のコミュニケーションのつくり方。

・競合チャネルの増加、1対nのマス広告が響かなくなる環境変化
・ジャンル訴求、ライフスタイル提案へシフト
・コンテンツを制作してウェブ展開するも結果1対nの一方通行の構造になる
・相互的なコミュニケーションが取りたくなり「シェア」されるものをねらう
・ウェブのマーケティング領域が、よくもわるくも盛り上がる

どの分野もだいたい、こんな状況のような気がしてならない。海外ブランドを取り扱うアパレルのセレクトショップに当てはめて例えて考えてみよう。※一部無理矢理

これまでは競合が少なく、取り扱っている店がなければ、宣伝に工夫がなくとも、人はお店に訪れてきてくれた。いろんな要因があったと思うがひとことでいうと景気がよかった。

しかし今はネットの通販事業者や海外のファストファッション企業の日本展開などが進み、差別化がむずかしくなってきた。「ここでしか買えない」独占性が薄まってきている。

そこでセレクトショップ自らオリジナルブランドを立ち上げるようになる。自社コンテンツが増えることで差別化を図れるし、別のチャネルに載せた分だけ売上にもつながる。とはいえ、自社のリソースは限られていて、供給には限界がある。どうしても知名度の高い者の方が買ってくれる可能性は高いし、売り手としても効率よく供給ができることはたしか。

そのなかでどうやって世の中にアプローチをするか。一つは、素材の良さのアピールから、「いい服を着て、いい時間を過ごそう」というようなライフスタイルの提案に変えること。服の機能が高いものはいまやごまんとあり、人はそこに価値を求めていない。

もう一つは、自社で扱わない商品以外も含めて、総合的にブランドのファッションの訴求をすること。ジャンルを盛り上げる姿勢をとること。いまや一方的に「ここで買って、買って」と訴えてもなかなか人は振り向いてくれない。ジャンルを盛り上げた結果として、セレクトショップの購入に寄与する、というつながり。遠回りのように見えて、いまや王道はこっちか。

これら二つを組み合わせてどのようにアピールをしていくか。あまり買ったことはないけれど、ブランドの名前はよく知っているミーハーな興味層に訴えたいとして。

まずは面の訴求としてランディングページを1枚つくり、流入をどれだけ増やせるかを見る。こういう場合の訴求でむずかしいのが、効果測定。なにをもって、ジャンルを盛り上げることができたかといえるのか。ここを指標化させることがむずかしい。ひとまずは、人に伝え、サイト訪問というアクションまでつなげることができたか。ここを見る。

そのページになにを置くか。だいたい「よむ・みる・あそぶ」あたりのコンテンツ。ためになる記事や著名人のエッセイ、クイズ。プレゼント付きで。あとはコンセプトムービーをつくるなど。もちろんEC機能があれば「買う」もあるはず。

失敗例としてよくきくのはウェブメディアを自前でこしらえること。何とかつくっても、一時的でコンテンツを継続的に供給することができなくなって箱だけが残ってしまう。ただでさえ運用費がかかる。たとえば「3月まで限定で」という切り口はあるだろう。

ここで気付く。ジャンルを盛り上げるコンテンツをつくって置いても、結果的に1対nの構造が変わっていないということ。じゃあどうなるかいうと「シェア」してほしくなる。いっぱい「リツイート」してくれたら、世の中に響いたことになる指標の一つになる。だから、Twitterで広がるように設計しようとする。

企業の担当者はそこでウェブ業界にいる専門のプロにお願いするよう。いまやフォロワーを多く抱える個人単位で依頼も多いようだ。で、そのプロの方々の、依頼される側の「苦情」なるものを最近よく目にする。

要は、シェアする側のきもちに立っていないということ。ただ広がればいいと思っていて、「ではよろしく」と依頼する。頼まれた個人のプロでいえば、「企業からお金をもらってひとまず告知します」という見え方をファンにされてしまうと信用を一気に下げてしまう。

正直むずかしい領域だと考えている。企業側からすれば、シェアする側の心理を勉強する・知る必要があるなとひしひし感じる今日この頃。つい先日も、インスタグラムを起点にウェブで活躍する女性から、そのような目的のない拡散依頼が多くて困っているとおっしゃっていた。

勉強しよう。