DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

「編集者的な心」を持って生きること。

職業に対しての憧れってありますか?

ぼくの場合は放送作家と編集者です。いつからであっただろうか。放送作家は高校時代。編集者は大学のときから意識をし始めました。著名人をきっかけに編集者という肩書き・職業を知ったと思います。今日は編集者を考えます。

まず大きな存在として挙げられるのが、いとうせいこうさん。マルチな活躍で著名ないとうさんは講談社ご出身。「ホットドックプレス」など担当してからフリーになっています。おそらくタモリさんの系譜があって、おふたりから感じる「世の中をおもしろがるために教養をつける」という感性。このあたりが好きなのだと思う。

たとえばフジテレビの過去の深夜番組「冗談画報」にいとうせいこうさんが出演した回。
そのときはスタンダップコメディとしていろんな芸を披露していくのだけど、目を見張ったのは形態模写で「中国人とアフリカ人の怒り方のちがい」。観察力もそう、他国の文化をとらえた上で芸に昇華しているかんじがいいなあと。

その「冗談画報」の司会を務めていたのが編集者でもある泉麻人さん。東京ニュース通信社という「テレビガイド」などを発行している出版社でテレビ誌をご担当。いまではコラムニストとして街、文化、東京の造詣が深いことで有名な人物です。テレビ誌の編集担当し、独自のコラムを書き、やがてその人の存在感が増し、フリーへ。こういうプロセスを経て、生きたいなあと大学時代に考えていたことを急に思い出しました。

「マガジンハウス」の皆さんかどうかはわからないけれど、聞いたお話として、外食するときに必ず一度も行ったことのないお店を選ぶとか。そういう編集者的な発想が好きなのだと思う。人生をおもしろがり、そこにスポットライトを当てて、自分が拡声器となって人に伝えること。ぼくが思う「編集者的な心」である。

ここ数年で知って、いまもっとも興味があるのが草彅洋平という方。東京ピストルという会社の社長であり、編集者。草彅さんは「トークのイチロー」という異名がある。一度お会いしたことがあって、まさにそうでした。どんな話題にも球を打ち返し、新しい刺激をくれる。

たしかそのときは食事を5、6人でしていて、ひとりプロのギャンブラーの方がいた。いろいろ話を引き出すんだけど、知識として知っていることがあるので、その好奇心とちょっとした知識をセットにプロの方に投げると、深い回答が返ってくるんですね。これ、めっちゃ大事だなと。

幸いにも好奇心という名の灯火の勢いは、どんどん強くなってきている。編集者的な心をもって、人生おもしろがろう。おもしろがるために知識・教養をつけよう。その領域において100のうち5でも知っているだけで、それは自分の引き出しとなり、ここぞのところで出すと、人から貴重な返しがきてその引き出しは5から20になることもある。

その意味で、月刊でいろんなカルチャーを発信している雑誌って、やっぱりいいなあ。ウェブだとCINRAが有名になってきているのかな。いずれにせよ自分はいまも、テレビマンよりも編集者に憧れているんだなあ。


引き続き、よろしくどうぞ!