DEPPA少年の日記

某テレビ局の会社員。27歳。「小説だからこそ本当のことを書ける」という小説家の言葉を参考に、あえて匿名でブログを書いています。28歳の誕生日までのカウントダウン方式を採用。

「今すぐ買う」をする理由

この人と話していると「毎回かならず何冊か本を買ってしまう」。

そんな頼もしい知り合いがいる。出版社につとめる人生の先輩だ。自分がいま興味があること、ハマっていることについてボールを投げると
くやしいほどに打ち返してくるんです。(そこの領域は専門ではないのに!)

「だったらこの本を読んでみるとおもしろいかも」と関連書をおしえてくれる。お酒がだいたい入っていて、たのしい会話の流れでさらっとオススメの本を言うから、こちらもあせる。

「いま大事なこと言いませんでした!?」「えっ、あー、『ぼくたちの七〇年代』ね。」

あわててメモる。本に関していえば、基本として買うようにしています。

それにしてもAmazonの「今すぐ買う」は怖いくらいに便利ですね。
「検索→商品ページ→今すぐ買うをスワイプ→購入完了」なんという工数の少なさ。おかげでその方と1回会ってごはんを食べると少なくとも1~2冊は買っているはず。後日、読んでかんたんな感想をいうと驚かれることがあります。

どうやら話の流れで同じ本をオススメすることがあっても、買う人はいなかったと。もしかするとこっそり買っているかもしれないけど、それを覚えていて感想を言うヤツはいないと。

感想といっても、たかが一文程度のもの。「その人に喜んでほしい」という思いよりかは、純粋にオススメしてくれたことに「ありがとう」を伝えたかっただけ。そもそも人と会話して話に挙がった本をわざわざ買う方が、そんなにいないということなのかもしれません。こればっかりは、わかりません。

ぼくの場合、自分の本はじめとするエンタメ体験に対する考え方として「縁」が関係しています。ある日ふと思ったんです。世の中にはこんなにおもしろい本や映画、テレビがあるのに、すべてを味わうことは人間の人生の長さではぜったいにムリだと。なのでたとえば、一冊の本に出会い、それを読み味わうことは、確率でいえば奇跡に近いわけです。

ブロガーの「やぎぺー」さんという方が、オススメされる本だけを買うようにしたら、はずれがまったくないという記事を書かれていますが、その通りだと思うんですね。オススメしてもらった本にはずれなしだし、興味はあるけれど知り得なかった世界の本もある。「こんな角度からくるのか!」というような本もあるんです。

おもしろいなあと思うのは、本屋で見かけても素通りするけれど、会話の文脈の上で、その人のオススメの言葉を聞くと「読んでみたい!」となるんですよね。これを仕組みにしたビブリオバトルという遊び・ゲームもありますし。

どこに本との一期一会があるかわからないものですね。そこがおもしろい。
「あなたと話していると、何冊も本を買っちゃうなあ」と言われること。雑談から自然に純粋に、誰かのためになる一冊をオススメできるようになるっていいですね。


引き続き、よろしくどうぞ!